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神社とお寺(寺院)の違いから感じた線と点線の違いについて

お正月ムードも過ぎつつありますが、神社とお寺の違いについて調べていて
面白かったので、備忘録としてここに書いておきます。
(ご存知の方はスルーでお願いします)

最初はネットで調べていたのですが、ネットでの解説はピンポイント過ぎるものが
多かったため、歴史のことをほとんど知らない自分にも分かり易く体系的に説明してくれる
ものがないか調べていたら、ありました。

とても分かり易く、初心者向けに説明してくれている本がありました。

詳細は本を見ていただくとして、神社とお寺の違いについて要約を

・神道と仏教の違い
・神道と仏教の融合と協調
・神道と仏教の区別

という3つに分けて簡単にご紹介します。


◎神道と仏教の違い

○神道

日本古来より存在する、日本オリジナルのもので、6世紀に仏教が大陸より入ってきた際に
仏教と差別化する為に神道という概念を設けた。

これは、八百万の神(やおろずのかみ)と言われるように、古代日本人は、この世の全ての
事象に霊魂が宿ると考えていた。

そして、人間は時間が経つと必ず神になり、子孫を見守ると考えられ、特に稲作が中心に
なる頃より、その土地を守り、その土地の住人を守るものと考えられるようになる。

水田や灌漑設備など代々受け継がれてきたものは、すべて祖先の恵みと受け止め、
祖先を敬っていた。


○仏教

紀元前5世紀頃に現在のネパールにいた釈尊(ゴータマ・シッダッタ)を開祖とする宗教で
あり、6世紀に日本へ来た。

無常を知り、偏った考えを捨てて中道を生きるという個人の悟りに重きをおいた人間中心の
宗教であった。


◎神道と仏教の融合と協調

仏教はまずは国を治める「学問」として朝廷の保護のもと全国に広がるが、誰もがその
教えを理解できた訳ではなく、誤解をされて広がってしまった。

そのため、仏教を日本化する必要が出てきた。

人間中心の宗教である仏教と、神道の先祖を敬う概念を融合し、協調をするようになる。

その結果、仏教は先祖供養や葬式などを重んじるようになっていき、日本人にとって
仏とは仏教の開祖、釈尊である以前に八百万の神に近い存在として受け止める思想が
長く受け継がれて行く。

仏壇に祀られる先祖の霊を「仏様」と呼び、盆や彼岸に先祖を祀るこの習慣は
本来の仏教では行われない。


◎神道と仏教の区別

今日では、神様は神社、仏様は寺院とはっきりと区別されるが、それは、明治政府が
行った神仏判然令による。

平安から江戸まで長い間、神仏が共存する状態は人々に抵抗無く受け入れられていたが
1867年の大政奉還によって明治天皇を中心とした国家に日本が生まれ変わった。

明治維新の混乱が続くなか、早急に天皇の権威を高める必要があった。

その際に、天皇を神格化するために、神社を寺院よりも上位の存在であると位置づけるため
それまで共存していた神仏を分ける神仏判然令を明治政府は出す。

これにより、現在のように神社と寺院は別々のものにはっきりと区別されることになる。

上記の本は、こちらです。

>> 神社とお寺の基本がわかる本—基本のキを教えます (新書)
神社とお寺の基本がわかる本―基本のキを教えます


「神仏判然令」の後に起きた、「廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)」のことや、
その背景なども初めて知ることばかりで、とても興味深く読みました。

神社とお寺の歴史から、参拝方法、仏像の見方などを初心者向けに
とても分かり易い言葉で、丁寧に体系的に説明をしてくれていますので
全体を把握しながら読み進めて行くことができます。
※参拝方法は、僕はやっては行けない方法でやっていることもこの本で分かりました。
後日やり直しをしてきます。。。

日本に生まれ住んで30年を過ぎましたが、身近に感じていた神社やお寺について
ほとんど知らないことばかりでした。

この本は、そんな人に取ってうってつけの本ではないかと思います。

歴史はどんどん新しいことが分かり、変わって行くものでもあるため
2007年6月に発売されたこの本が初心者向けでは一番分かり易く面白い本であると
思います。


そして、この本を読んでいて興味深かったことの一つは、神道と仏教の融合と協調のところです。

神道と仏教は、他社を受け入れ、融合し、協調することをよしとし、
キリスト教やイスラム教と比べて、他の宗教から攻撃を受けた場合に正面から
戦ったケースはほとんどないとのことでした。

この箇所を読んでいた際に、思い出したのが、「デザインのデザイン」という本で
原 研哉さんが書いていた内容で、ユーラシア大陸と日本の地図を90度回転させ
日本を下に持ってくるようにすると、大陸から流れてくるものは全て日本に集まる、
そして、日本の下は太平洋で後に大陸が無いため、日本に集まった諸々のことが
次に流れて行けない為、それら諸々が日本の中で消化され、日本が持つシンプルさや
わび/さびというような概念を生んできたのではないかという話です。

tizu
ざっくりですが、こんな感じで最後には日本に集まったイメージです。


つまり、大陸から流れ来る全てのものを拒むのではなく、自分たちの文化に
うまく取り入れ、諸々の要素がごちゃごちゃあるのではなく、その中から
日本的なもの(シンプルさ/わび/さび)、というのを生み出してきた。

異質なものを拒み争うのではなく、最終的には受け入れ、それを自分たちの文化の
中に取り入れ、融合/協調していくという仏道の精神をこの本に見た時に、デザインの
デザインで書かれていた内容がすっと心の中に入ってきました。


そこで思ったのが、日本人は曖昧であり、優柔不断である、ということを悪いように
言われることがよくありますが、もしかしたらこれは逆にメリットなんではないかと。

キリスト教やイスラム教のようにきっちりと線で区切り混じり合えないのではなく、
仏道の精神を大事にしつつもその境目は点線のようになっていて、異質なものと
融合/協調して行けるように、少しずつ混じり合えるような状態になっている。

それが、争いを抑え、新しい価値を生んできた日本的なもの、ということになるのでは
ないかと思いました。

線で区切らず点線で区切るようなイメージのため、曖昧さやグレーな状態が残っては
しまうのですが、それをむしろ歓迎することで、その中から生まれてくるものが、
欧米的な何かではなく、日本的な個性溢れる何か、になるのではないかな。

好きとか嫌いとかよいとか悪いとかではなく、資本主義経済がキリスト教を元に
考えられている
為、なかなか神道的なやり方はなじまないのも頷けます。

でも、明治維新で欧米化を一気に取り入れた日本が、再度日本的な個性を持った
何かを生み出して行くには、この点線のようなやり方というのは悪くないのでは
と思いました。


今年一年、テーマは点線で行こうかな。
一緒に仕事する人にうざがられるか。。。

こちらに捕捉というか、追記のエントリーがあります。
 よろしければご覧ください。

※「点線」という表現は、大好きな林丈二さんが「路上探偵事務所」という本の
中で、「僕は線よりも点線的なものが好きだ」ということを書いていたのを拝借しました。


※上記書籍一覧

>> 神社とお寺の基本がわかる本—基本のキを教えます (新書)
神社とお寺の基本がわかる本―基本のキを教えます


>> デザインのデザイン
デザインのデザイン


>> 路上探偵事務所
路上探偵事務所 (講談社文庫)

     
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