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WEBの役割

日下公人さんの、「食卓からの経済学」という本がとにかく面白い。
先日ビジネス発想源というメルマガで紹介されていて、読んでみたところ
アイデアやマーケティングに関するヒントが本当に満載で、ずーっと
うなずきっぱなしだった。

たくさんの「なるほどー!」の中で、特に印象に残った箇所が、
人間の豊かさと満足するポイントについて、人間の5感を元に
紹介している箇所だった。

人間の5感は、神経密度が高い順に並べると
・視覚
・聴覚
・味覚
・嗅覚
・触覚
となる。


その中で、

人間は豊かになると、満足するポイントが神経密度が低い方(触覚の方)に進化する

という話が載っていた。


具体的な例として、家庭用のトースターの話が載っている。

家庭用トースターが発売される前は、焼いたパンを近所のお店で
買って持ち帰り、家庭で食べていた。
それを、焼きたての味を家庭でも食べられるようにということで
開発/発売されて大ヒットになった。
ただ、ここのヒットに隠れいている大きな要素は、焼きたての味ということも
あるが、実はパンを焼いている時に出る「匂い」が人々の心を捉えた、と。

嗅覚や触覚(肌触りなど)を刺激するような要素を商品に入れることで
人々の心をつかむことができるのではないか、という話だった。

実際に、自分の体で触ることが出来るもの、匂いを嗅ぐことが出来るもの
そういう、非常にアナログな要素ということを人は求めているのだなぁと。

確かに、音楽とかもそうだよなぁ。

好きなアーティストのCDはだいたい3000円くらいで買えて、
しかもいつでも好きな時に何回も聞ける。

実際にコンサートに行くとなると、だいたいはCDよりも高い値段でチケットを
購入する必要がありしかもそのチケットでは基本1回しか体験できない。

それでも、やっぱりコンサート会場で体験することの素晴らしさを考えると
1回だけ、しかもCDより高くても足を運ぶ。

これは皮膚感覚で、アーティストや会場の雰囲気を味わうことが出来るからと
考えると、なるほどと思う。

以前にも、ちょっと同じようなこと(ココとかココ)を書いたけど、改めて
「アナログ」ということについての重要さを思った。


今は、「嗅覚」や「触覚」を刺激するものではないけど、
その刺激を入れられないかを身近なところで考えてみた。

そこで思ったのが、「WEB」と「嗅覚や触覚」を組み合わせてみると
どうなるかなということだった。

デジタルの申し子みたいなものである「WEB」に、アナログの
代表感覚のような「嗅覚や触覚」をどうやったら組み合わせられるだろうか。

WEB自体から匂いを出すことや、WEBそのものに触ることってできないけど、
何かヒントになるかもしれないと思い、WEB上に存在するもので、
一番アナログな感じがするものを例に考えてみることにした。そうするとココかなぁ。

ほぼ日刊イトイ新聞だ。

ほぼ日で提供されていることを見てみると、
1.有名、無名関係なくほぼ日のコンセプトに合う人たち自体のコンテンツ
2.ほぼ日のコンテンツから派生した商品(本やCDやDVDや野菜やケーキなど)
3.ほぼ日オリジナルの商品(タオルや腹巻きやTシャツや手帳など)
と大きく3つに分けられそう。

「2」と「3」に関して言うと、まさしく「嗅覚」を刺激するものであり
「触覚」を刺激する商品をサイトが窓口となり提供している。

そして、「1」だ。

各々のコンテンツは、基本サイト内で完結するコンテンツがメインだけど、
そのコンテンツ自体が、なんと言えばいいのだろう非常にアナログな感じがするのだ。

顔が見えるものも非常に多いし、そのコンテンツを作っている人たちの
息づかいもとても感じられる。

あれだけの人気サイトである「ほぼ日」の中に、これからWEBが担って行く
大きな役割のヒントが隠されているような気がする。


人が豊かになって行くと満足するポイントが神経密度が低い方に進化する

ということを前提にした場合、

作り手の思いやサイトのコンセプトをアナログな感覚で
しかも、神経密度が低い方のアナログな感覚で味わえることを可能にする形で
提供して行くことが今以上に重要になってくる。

そう考えるとまだ始まって歴史の浅いWEBの世界も、
これからより豊かになるにつれて、PCや携帯のモニターの中で
完結するものでなく、便利だとか効率的だとかではなく、
アナログな感覚を味わえるようなコンテンツや
商品を提供する媒介者にどんどん変化して行くんではないでしょうか。

そういう意味では、ある意味テレビ化するとも言えなくもないのかな。

もちろん全てではないと思いますけどね。

なんて、改めて思った次第です。

     
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